研究課題
染色体の特異的領域を、生きた細胞内で4次元高精細ライブセルイメージング法を用いて可視化することを目的に研究を進めた。この核内ライブイメージング法を用いることにより、固定細胞の細胞核を材料にした従来の解析では得られなかった染色体相互作用の動態情報を取得することができた。動態情報から、染色体相互作用に立脚した核内構造の動態制御メカニズムを明らかにすることを目的に解析を進めた。また、申請者らが発見した染色体相互作用を制御する因子を突破口に、インタラクトーム解析を実施して相互作用因子を同定し、核内構造ダイナミクスの分子メカニズムを分子生物楽的に明らかにすることを目的に解析を進めた。さらに、発生・分化段階に特異的な核内構造と遺伝子発現の関係を調べることで、染色体相互作用の重要性を明らかにし、核内構造ダイナミクスの意義を明確にすることを目的に表現型解析を進めた。初年度に同定した制御因子の変異体を収集し、染色体特異的領域可視化ラインと交雑して、染色体相互作用ライブセルイメージング解析を実施した。この解析を通じて、染色体相互作用の動態周期、速度、局在性など、各パラメーターを制御している因子を同定することができた。特に、高精度インタラクトーム解析により、相互作用因子を多数同定することに成功した。その相互作用因子の変異体の表現型解析を実施するとともに、相互作用因子の細胞核内における挙動やクロマチンとの関係も解析した。
1: 当初の計画以上に進展している
本研究プロジェクトの研究成果を論文出版することができた。多数のメディアで紹介されて社会的にもインパクトのある研究成果を出すことができた。
相互作用因子の細胞核内動態イメージング解析を進めて、染色体相互作用のメカニズムを明らかにする。細胞核内のイメージングは微小空間であるため、困難が伴うが、高感度検出器を使うことで、解析を進めて行く予定である。
当初よりも実験計画が順調に進み、早い段階で論文を出版することができたから。このため、予定されていた実験量が少なくなり、消耗品使用量が減ったため、その分を次年度に繰り越すことにした。
繰り越した実験消耗品を、次年度に有効に活用して、研究を推進する。特に、次年度は相互作用因子のイメージング解析に使用する予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (86件) (うち国際学会 21件、 招待講演 2件) 図書 (3件)
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