研究課題
A)雄の線虫が飢餓条件であっても雌雄同体の存在により塩への正の走性を持つよう学習する現象について、インスリン経路の各種変異体でこの学習を測定した。その結果、同じインスリン経路の変異体であってもまちまちな行動が得られ、結果の解釈が困難であった。B)フェロモンによりSNET-1ペプチドの発現が低下する現象について、関与する因子を探索した。TGFβ経路について集中的に検索した。その結果、TGFβであるDAF-7や、TGFβ受容体DAF-1, DAF-4の変異体ではSNET-1の発現が上昇していた。R-SMADであるDAF-8とDAF-14の変異体でも同様であった。他の現象ではco-SMADのDAF-3は逆の表現型を示すが、この変異体も同様であった。一方、skiであるDAF-5では異常が見られなかった。以上より、通常のTGFβ経路と異なる働きがSNET-1を制御しているとわかった。daf-1およびdaf-14の細胞特異的レスキューをおこなったところ、多くの組織でレスキューし、分泌性の因子の関与が推定された。C)GAPであるsipa-1の変異体が嗅覚順応に欠損を示す。これについて調べたところ、rap-1の活性化型が同じ表現型を示したので、rap-1がsipa-1のターゲットであることが推定された。D)NaClと餌の連合学習で繰り返し条件づけを行う実験で、個体間のフェロモン等による相互作用が制御に関わる可能性を考えて個体群密度を変えて実験を行ったが、学習の程度に差はなかった。
3: やや遅れている
TGFβ経路のSNET-1発現制御への関わりを調べているが、daf-1, daf-14が多数の組織でレスキューしたことから、相互作用と機能部位について、追加の実験が必要になった。
TGFβ経路のレスキュー実験を、コピー数を下げてさらに行う。
daf-1, daf-14が多数の組織でレスキューしたため、追加の実験が必要になった。
TGFβ経路のレスキュー実験を、コピー数を下げてさらに行う。この結果まで得られたら論文にまとめて発表する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件)
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