研究課題
線虫C.elegansには雌雄同体とオスの性がある。雌雄同体もオスも、NaClと餌を同時に経験した後はNaClに誘引され、NaClと飢餓を同時に経験するとNaClを忌避するようになる。しかし、異性がいる状態でオスがNaClと飢餓を経験するとNaClに誘引されるようになる。この学習を異性学習と呼んでいる。これまでの我々の研究により、異性学習が成立するためには雌雄同体からのフェロモンが必要であること、フェロモン以外に雌雄同体の物理的存在とオスの尾部の構造が必要であることが分かっていたが、詳細な機構は明らかになっていない。一方、雌雄同体においては、飢餓により塩を避けるようになる学習にはインスリンシグナル伝達経路が必要であることを明らかにしており、ASER感覚神経におけるインスリン受容体と、そのシナプス周辺への局在が重要であることが分かっている。そこでオスにおいてインスリン経路がどのように働くかを調べることを計画した。昨年度までにこの研究が部分的に進んでいたが、雌雄同体では塩の感覚受容に必要で、インスリン経路が働くASER神経が、オスの塩走性に不要という結果が得られていた。研究従事者の離脱により新たな従事者が関わることとし、再現実験を行いつつ進めることとした。その結果、ASER感覚神経はやはり必要であるとの結果となったが、進捗が思わしくなく、インスリン経路の機能の確認には至らなかった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLOS ONE
巻: 12 ページ: e0177900
DOI: 10.1371/journal.pone.0177900
eLife
巻: 6 ページ: e28877
doi: 10.7554/eLife.28877