研究課題
多くの動物は、UV光を受容し、視覚や視覚以外の役割(非視覚)に利用している。本研究では、動物のUV光利用の多様性を知る目的で、視覚(主眼)・非視覚(後中眼)に機能分化した2種類の眼でUV光受容を行うハエトリグモに着目し、分子基盤の解析を起点として、それぞれのUV光受容が関わる生理機能の解明を進めている。また、対比として可視光受容についても同様の解析を行い、平成29年度は以下の成果を得た。・昨年度までに取得した、多種類のハエトリグモおよび他のクモ類(カニグモ、ハナグモ、コモリグモ等)の光受容タンパク質について、培養細胞発現系を用いてリコンビナント光受容タンパク質の取得に成功した。それぞれの光受容タンパク質について、分光学的解析によって吸収スペクトルを明らかにし、クモ類の「光利用」と「系統関係・生態」との連関を明らかにした。・クモ類において網膜以外の組織で発現する新規非視覚光受容タンパク質が、「暗状態で活性化し、光刺激によって不活性化する」という、従来の光受容タンパク質とは逆の性質を持つことを生化学的解析によって明らかにした。また、他のクモ類についても同光受容タンパク質の解析を行い、吸収スペクトルを明らかにした。複数のクモ類について、この非視覚の光受容タンパク質の吸収スペクトルと視覚の光受容タンパク質の吸収スペクトルを比較した結果、視覚と非視覚では、受容する光の色に対する要求が異なることが明らかになった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
巻: 8 ページ: 3535
10.1038/s41598-018-21946-1
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巻: 印刷中 ページ: -
The Journal of Experimental Biology
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