研究課題
本研究は、修飾ヒストン特異的抗体や様々な機能を付加した一本鎖可変領域抗体(scFv; single-chain variable fragment)を細胞に導入することで、個々のヒストン修飾を標的とした解析、及び、特異的修飾を受けたクロマチンに結合する蛋白質の解析により、遺伝子発現とクロマチン制御におけるヒストン修飾の意義について理解することを目的として行った。分裂期におけるリン酸化ヒストンH3と共に免疫沈降される蛋白質を質量分析で探索して得られたブロモドメインを持つ蛋白質の詳細な解析を行った。この蛋白質は、セントロメアにも局在するであり、その局在化ドメインの絞り込みを行ったところ、ブロモドメイン以外の場所がセントロメア局在に必要であることがわかった。また、この蛋白質を強制的にクロマチンにテザリングすると、多くのセントロメア蛋白質もその場所に局在することが明らかになった。したがって、この蛋白質は、セントロメアクロマチンの形成を促進することが示唆された。セントロメアクロマチンには特定のヒストン修飾が存在することから、今後の研究によりセントロメアクロマチン形成とヒストン修飾との関係が明らかにできると期待できる。一方、新規細胞内可変領域抗体(mintbody;modification-specific intracellular antibody)の開発も進め、トリメチル化ヒストンH3K27に特異的なmintbodyを生細胞で発現させることに成功した。ヒトやマウスの雌体細胞にこのmintbodyを発現させるとことで不活性X染色体を生細胞で可視化することが可能となった。今後、このmintbodyを用いた可視化や遺伝子操作により転写抑制や活性化の機構を明らかにできると期待できる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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