研究課題/領域番号 |
26291077
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 猛智 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (70313195)
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研究分担者 |
藤倉 克則 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋生物多様性研究分野, 分野長 (10344293)
小島 茂明 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (20242175)
狩野 泰則 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (20381056)
渡部 裕美 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋生物多様性研究分野, 技術主任 (50447380)
中野 智之 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教 (90377995)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 種分類 / 系統地理 / 分子系統解析 |
研究実績の概要 |
本年度も複数の海産貝類の種群について分子系統解析、系統地理的解析を行った。(1)カサガイ類のアオガイ属について系統解析を行った。その結果、日本産9種がそれぞれ単系統であること、従来の形態の定義形質が適切であることが実証された。本研究結果は投稿中である。(2)コガモガイ類の分子系統解析の結果、コモレビコガモガイ、オボロヅキコガモガイ、コガモガサの単系統性は支持された。一方、コガモガイは従来の分類では北方集団と南方集団を同一種内の変異と見なしていたが、分子系統解析の結果、それぞれ独立したクレードであることが実証された。今研究結果は近々投稿予定である。(3)アジアの温帯域に広く分布するカモガイの遺伝的変異を解析した結果、4つの地域集団があることが判明した。日本本土には2つの大きな集団があり、それらと琉球列島、中国-台湾の集団は遺伝的に区別できることが明らかになった。本研究はさらに詳細な解析を行うために追加のデータ取得を行っている。(4) 二枚貝類原鰓類の分子系統解析を行い、分類体系と種分類の見直しを行った。形態の定義形質として有用な貝殻微細構造については論文を出版した。分子系統解析の結果は近々投稿予定である。(5) 沖縄トラフの熱水噴出域に生息するハイカブリニナ類の系統解析の結果、新種の存在が明らかになっていたが、4新種を新たに記載した。 (6)沖縄トラフの熱水噴出域に生息するワタゾコシロアミガサモドキ類、および相模湾初島沖のメタン湧水域から採集されたワタゾコシロアミガサモドキの集団遺伝解析を行った結果、過去に記載された種は再検討が必要であることが分かった。貝殻、歯舌の形態と分子データを1個体ずつ比較し、種の境界を明らかにする研究を継続中である。(7)上記以外の分類群についても、COI遺伝子のシーケンスを進め、データを十分に取得できた種群から比較検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィールド調査、共同研究態勢の構築、データの取得等において、おおむね当初の計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き分担研究者がそれぞれ専門とするタクサの検討を進め、情報交換を継続しながら、プロジェクトを推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品を通常より割引価格で購入できたため210円の差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の物品購入に使用する。
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