研究課題
本研究では,次の5つの課題を並行的に進めてきた.1) ミトゲノム全長配列の大量並列シーケンシング技法の確立;2) 大量データ処理・解析のパイプラインの確立;3) 主要分類群のミトゲノム全長配列の網羅的決定および系統解明;4) 北西太平洋における優占種集団のミトゲノム全長配列の決定および種内集団構造の解明;5) 魚類全体における中・深層性魚類の起源と進化に関する全体像の提示.初年度は,中・深層性魚類サンプルの網羅的収集を行い,これまでに太平洋を北から南まで縦断する計21測点において,中層トロールにより計1,164個体の魚類を採集した.これらの魚類全個体からDNA抽出を行い,魚類環境DNAで開発したMiFishプライマーを用いたメタバーコーディング解析を行った.その結果,21サンプルから計106種が検出された.このメタバーコーディングの解析技法が確立できたことにより上記4の目標達成が容易になった.また,上記2の大量データ処理・解析のパイプラインをウェブ上に公開した.MiFishメタバーコーディングで得られたシークエンス全体を用いて解析することにより,深海性デメニギス科ヒカリデメニギス属の未記載種2種を発見し,新種として記載し発表した.上記1のミトゲノム全長配列の大量並列シーケンシング技法の確立については,ロングPCR産物を用意し,それらのロングPCR産物をNexteraXTキットを用いて断片化とインデクスの付加を行うことにより容易にミトゲノム全長配列が得られるようになった.グリーンランド沖で採集された深海魚計192種に対してこの方法を適用してミトゲノム全長配列の決定を試みたところ,ほぼすべての種について全長配列が得られた.このように,目的の1~3については既に成果を発表しており,4と5についてはデータの収集を終え,データ解析終了後に論文として発表することになる.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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https://sites.google.com/site/masakimiyalab/home
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https://www.researchgate.net/profile/Masaki_Miya