研究課題
珪藻は、微細藻類ながら熱帯雨林と同等の炭酸固定を行う海洋で最も重要な一次生産者であるが、その起源・繁栄機構は依然不明である。本研究は、珪藻と共通の祖先から進化したパルマ藻を対象に、1.シリカの殻形成と細胞分裂機構の解析、2.生活史とその制御機構の解明、3.核ゲノムの解読、4. 分子化石(バイオマーカー)の特定と海洋堆積層の分析による出現時期の生物地球化学的解析によりパルマ藻の生物学的特性を明らかにすることを目的とし、パルマ藻と珪藻両者の特性を比較することによりの両者の進化過程と繁栄機構の解明を目指している。本年度は、パルマ藻の全ゲノム解読に対し、新規に取得した次世代シーケンサーによるゲノムのシーケンシングデータを加味した再解析を行い、より詳細な解読を進めた。次に得られた解読結果をとりまとめ、パルマ藻の全ゲノムの概要に関する論文の作成を進めた。さらに、これまでに本課題全体で得られた、系統・多様性・全球分布・生態・シリカの殻形成等の知見を総括し、パルマ藻と珪藻両者の生物学的特性を比較し、両者の進化過程と繁栄機構を考察し、パルマ藻の生物学に関する総説論文を投稿した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
藻類: Jpn. J. Phycol.
巻: 65 ページ: 153-158