研究課題
本研究では、ABCC11とEDARにみられるアジア特異的な変異の利点を知るため、遺伝子型と皮膚形質の個体差との関連を明らかにした上で、更に、それらの条件と皮膚における細菌叢との関連を解き明かすことを目的とする。多検体を用いて皮膚細菌叢と宿主の遺伝要因との関連を解析した研究は未だ少なく、皮膚細菌叢の個体差・集団差を理解する上で本研究は意義がある。本年度は、新たに90名を対象として皮膚の計測(水分量、油分量、ポルフィリン、皮膚色など)、皮膚細菌叢試料および唾液試料の収集を行い、ABCC11、EDARなどの遺伝子における多型のタイピングをするとともに、皮膚細菌叢のメタ16S解析を行った。解析の結果、このサンプルサイズでは皮膚計測項目と遺伝子多型の有意な関連は見出すことはできなかった。また、メタ16S解析において、各個体の部位ごとの細菌叢パターンを比較すると、同一個体内で部位を比較した場合よりも、同一部位で個体を比較した場合の方が、パターンが類似していることがわかった。
3: やや遅れている
初年度に当初予定とは別の新たな実験系の確立を進めたため、研究が後ろ倒しになった。その後の研究は概ね順調に進んでおり、最終年度に帳尻をあわせたい。
今後、更なる計測および試料の収集を行い、サンプルサイズを大きくして統計解析を進める予定である。
初年度に当初予定とは別の新たな実験系の確立を進めたため、サンプリングや本実験が後ろ倒しとなった。その影響により、H27年度に予定されていた実験がH28年度に繰越しされた。
H28年度に繰越しとなったヒトのジェノタイピングおよびメタ16S解析の費用(試薬代)に充てる予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Scientific Reports
巻: 5 ページ: 17855
doi:10.1038/srep17855
細胞工学
巻: 34 ページ: 1172-1176