集団遺伝学的探索によって、アジア特異的に働いた強い自然選択の痕跡が、汗腺機能と関連があるABCC11およびEDARといった遺伝子の非同義変異に見出されている。本研究では、ABCC11とEDARを中心とした遺伝子型と皮膚形質および皮膚細菌叢の個体差との関連を明らかにすることを目的とする。結果として、両遺伝子のアジア型非同義変異が、顔面のポルフィリンの量と関連していることを示した。二つの変異の効果に相互作用がみられることから、これらの変異がアジアにおいて共進化してきたことが推測される。今後、機能的および集団遺伝学的側面の双方から、両者のエピスタシス効果をさらに解き明かしていく必要がある。
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