本研究では、ナス科のモデル植物であるベンサミアナを用いて、ジャガイモ疫病菌抵抗性に関与する植物の抵抗性機構に関与する遺伝子群の探索を行った。その結果、これまでに機能解析例のないナス科特異的な低分子量の分泌タンパク質SAR8.2mが抵抗性に必須であることが示された。SAR8.2mサイレンシング株にジャガイモ疫病菌を接種すると、病原菌の感染が植物体全身に蔓延してしまう極めて重篤な病徴が認められる一方で、他の病原菌に対する抵抗性に影響は認められなかった。解析の結果、SAR8.2には植物の抵抗性を誘導する活性があること、ジャガイモ疫病菌感染時に病原菌の感染行動を抑制する活性があることが示唆された。
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