施設栽培におけるUVBを利用した新しいハダニ管理技術への反映を目的として、ダニ類の①UV損傷の発症に関する分子メカニズムと②抗酸化物質による生体保護機能について検証した。①ではDNA損傷と死亡または光回復との相関を立証した。幼虫期にUVBに暴露された個体は静止期に特異的に死亡し、その原因として形態形成遺伝子の損傷が示唆された。また、気温の低下によるハダニ防除効果の増大が明らかになった。②ではハダニが持つカロテノイド類の同定と共にUVBや高温による過酸化脂質生成の抑制などの保護効果が明らかになった。さらに、カブリダニが花粉食を通じて抗酸化物質による保護効果を獲得していることが分かった。
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