研究課題
昆虫は肢先端に植物などの複雑な基質面に付着できる剛毛を持つ。また、基質を伝わる振動を肢に内在する振動受容器で感知する。本研究では、行動・生理学的実験と付着試験、振動・数理解析から、カミキリムシの基質付着の制御機構を統合的に解明する。そして、付着制御機構を害虫防除技術に応用することを目指す。1) 付着機能と体表構造の解析 マツノマダラカミキリとラミーカミキリを用いて、肢先端の密生した剛毛の微細構造を走査型電子顕微鏡により観察した。並行して、接着性剛毛の接着試験を行い、特に被着基板表面の化学的性質と接着性の関係を調査した。その結果、基板表面の表面自由エネルギーの内、分散性成分に影響を受けていることが分かった。2) 振動に対する行動反応性の解析 特定周波数において、持続時間と振幅の振動特性を変化させた合成振動を作成する。これらの合成振動に対するマツノマダラカミキリの行動の反応率より、持続時間と振幅の差異による効果を比較、振動に対する行動反応性を明らかにした。3) 振動受容器の構造と生理応答性の解析 マツノマダラカミキリを用いて、弦音器官中の感覚細胞を蛍光色素等により染色し、共焦点顕微鏡によって感覚細胞の形態を観察した。感覚細胞に付着する弦などの微細構造や感覚細胞周辺の構造もあわせて解析した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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