ある種のストレス下では翻訳が抑制され、特定のmRNAが優先的に翻訳されることが近年明らかになってきた。本研究ではストレス下の酵母細胞で選択的・優先的に翻訳される遺伝子の同定に取り組み、高濃度エタノールによって引き起こされる翻訳抑制下ではBTN2 mRNAが、バニリンなどのバイオマス由来発酵阻害物質に起因する翻訳抑制下ではADH7やBDH2、VFH1の mRNAが優先的に翻訳されることを明らかにした。また、これらの遺伝子のプロモーター領域を用いることで、他の遺伝子の優先的な発現も可能になることが確認され、これらのプロモーターが酵母のストレス耐性や発酵効率の改善に役立つことを見出した。
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