研究課題
複数のヘリカーゼを取得し、温度誘導性、基質特異性を調べた。機能未知であるThermococcus kodakarensis のSF2 ヘリカーゼTK0306、TK0460及びSF1ヘリカーゼTK0178に着目し、これら酵素の性質を調べた。TK0306、TK0460、TK0178のATPase活性の至適温度はそれぞれ 50℃、60℃、100℃であった。アンワインド活性測定において、TK0460はTk-EshA 同様に3’突出型二本鎖DNAにアンワインド活性を示し、TK0306、TK0178は 5’突出型二本鎖DNAにアンワインド活性を示した。温度特性からも低温環境の適応にはTK0306が重要であることが推察された。超好熱菌の温度適応を左右する因子として、分岐鎖ポリアミンの細胞内含量があげられる。超好熱菌では分岐鎖ポリアミンのアセチル体は報告されていない。そこでアセチル化ポリアミンの探索を行ったところ、分岐鎖ポリアミンのアセチル体(N4-bis(aminopropyl)-N1-acetylspermidine)が存在することが明らかになった。培養温度を問わず定常期でアセチル体の割合は増加する傾向がみられた。低温誘導型分子シャペロニンCpkAは低温適応の鍵因子と考えられている。トリプトファン合成酵素遺伝子のひとつTrpC はCpkAに捕捉再生される。CpkAの530番目のGluをGlyに置換した変異CpkA-E530Gは50℃においてシャペロニン活性を有する。この遺伝子を導入したT. kodakarensisDA4株は50℃でも最小培地に生育するようになった。また、本株を野生株と混合し、最小培地にて50℃での選抜を行ったところ、DA4株が優位に選抜された。この結果はわずかひとつの点変異がシャペロニン分子に入ることで、より低い温度で生育できる性質を獲得したことを示している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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