分裂酵母の糖タンパク質糖鎖には、ピルビン酸化されたガラクトースが存在する。分裂酵母のピルビン酸付加に重要なピルビン酸転移酵素について諸性質の解析を行った。本酵素はβ結合のガラクトースに特異的で、ラクトース(Gal-Glc)のガラクトースにはピルビン酸を付加できるが、Gal-GlcNAcには付加できないことがわかった。そこでPvg1タンパク質のX線構造解析を行った所、還元末端のグルコースの2位の位置に168番目のヒスチジンが極めて隣接していることが予想された。解析の結果、Pvg1H168A変異体はPvg1野生型が転移できなかったGal-GlcNAcへピルビン酸を転移できることが明らかになった。
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