新しい抗癌剤の開発を指向したケミカルバイオロジー研究に資するべく,極めて強力な細胞毒性と特異な化学構造を有する天然物(amphidinolide N,nigricanoside Aなど)の全合成研究を行った。前者については,立体選択的なワンポットTHF環形成法を開発してC17-C29フラグメントの効率的合成を達成し,後者については,Evans不斉アルキル化を用いて南東フラグメントの調製を完了した。また,nigricanoside Aの2つのオキシリピン鎖のより効率的な合成法の開発と構造活性相関研究のためのユニットの調製を意図して,2種の天然オキシリピンの全合成を行った。
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