研究課題
1. テトロドトキシン(TTX)の生合成研究:これまで、TTXを有するイモリより、C10-C5が直接結合したTTX類縁体を発見し、単離、構造決定した。これらの化合物の構造は、これまでの予測TTX生合成経路に反し、Baeyer-Villiger monooxygenaseやC10-C5結合が開裂する反応で変換されると考えられた。また、これらのC10-C5結合を有するTTX類縁体の構造から、TTXの生合成前駆体は、モノテルペンであると推定した。本研究では2種の環構造を有する、微量の新規の環状グアニジン化合物を合計6種を単離、構造決定した。2種はTTXがモノテルペン由来であることを支持する構造を有し、他の4種はシャント化合物ではないかと考えた。また、これらの化合物が、日本、中国、米国の有毒イモリの6種に存在するかどうかをLC/MSで調べ、ほとんどが存在したため、これらの化合物はイモリにおけるTTX前駆体である可能性を示唆した。2. サキシトキシン(STX)の生合成研究:Neilanらが有毒藍藻の遺伝子よりSTXの生合成経路を推定したが、化学的に中間体の構造を十分に証明していなかった。我々はこれまで、STXの初期生合成中間体Int-A’,Int-C’2を化学合成して、LC/MSを用いて有毒藍藻および渦鞭毛藻類に存在することを初めて明らかにした。また、これらの中間体の15Nラベル体を合成して、有毒藍藻を用いて取り込み実験を行い、低毒のSTX類縁体のC1/C2に取り込まれることが証明できた。本研究では、さらに生合成経路でInt-C’2とC1/C2の間に存在すると考えられる化合物を、前述の15N体の取り込み実験をLC/MSにて精査し、Int-C’2の酸化物および3環性化合物の存在を推定し、新たな生合成経路を推定した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 14件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
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