放線菌の生産するジテルペン,サイクロオクタチンの生合成機構について明らかにした。特に環状骨格形成段階を担うジテルペン環化酵素CotB2の反応機構について,安定同位体で標識した基質を用いたin vivoとin vitro実験により反応機構の解析を行うとともに,量子化学計算を用いてカチオン中間体や遷移状態の知見を得ることで,環状骨格構造の変化を伴わない炭素-炭素結合の組換えという特異な環化反応過程の詳細を明らかにした。また,CotB2の結晶構造についても基質の初期構造を含めて解明することに成功した。特異なテルペン合成酵素であるシクロラバンデュリル合成酵素も同定し生化学的性質を明らかにした。
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