研究課題
われわれが感じる5つの基本味の味情報は末梢の味蕾では別々の細胞集団で受容されることが明らかになってきた。一方、受容された味情報の神経伝達・中枢での認識という味覚情報のコーディング・デコーディング機構は不詳である。本申請研究では、①2種以上の細胞を起点とする情報伝達・処理神経回路の可視化を実現する新規の経シナプス性トレーサー・トランスジーンをメダカを用いて開発し、②新規トレーサーを用いて、2種以上の基本味の情報伝達・処理経路を区別して可視化し、各経路の相関を明らかにすることを最終目標として行った。昨年度までに、神経回路を独立して可視化するツールとして、これまでに報告のなかった2種のトレーサー・トランスジーンの開発に成功した。また、メダカの複数種の味蕾細胞に外来遺伝子発現を誘導可能なプロモーター配列の取得に成功した。本年度は、これらのツールを組み合わせ、メダカにおける複数種の味覚神経回路の関係性の解析を行った。その結果、旨味vs苦味、旨味+苦味vs酸味の神経回路の関係性を味蕾に投射する味神経のレベルで明らかにすることに成功した。この結果と、すでに報告のある味神経の味覚応答様式の情報と組み合わせて考察することによって味覚情報のコーディング・デコーディング機構の解明に大きく寄与するものであると考えている。現在、論文化を進めている。蛍光タンパク質とトレーサーの融合タンパク質トランスジーンについて検討を行ったが、神経トレーサーとして機能するものは得られなかった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
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巻: 143 ページ: 2012-2024
10.1242/dev.134817
J. Histochem. Cytochem.
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