研究課題/領域番号 |
26292066
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
門脇 基二 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90126029)
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研究分担者 |
藤村 忍 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20282999)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | オートファジー / シグナリング / 抗加齢 / アミノ酸 / サーチュイン |
研究実績の概要 |
I. 栄養・食品成分によるオートファジー調節 1)アミノ酸による調節機構:A. アルギニンによるAutophagic Activity レベルでの調節機構:アルギニンでの作用機構が明確にならなかったので,同じく活性酸素種(ROS)を介さないグループに属するメチオニンについてその機構を調べたところ、mTOR と PP2Aを介する可能性が示された.B. 新規シグナリング調節タンパク質を介したAutophagic Capacity レベルの調節:明確な知見が得られなかった。2)抗酸化性食品成分による調節機構:ガレート基を有するカテキン類であるEpicatechin Gallate, (ECG), Epigallocatechin (EGC), Epigallocactechin gallate (EGCG), Gallocatechin gallate (GCG) について、オートファジー活性化作用の構造活性相関を検討した.その結果,低濃度(20 μM)ではオートファジーを促進したが,高濃度(50-100 μM)では逆に抑制する二相性が示された。3)米タンパク質による調節の可能性:今年度も実施に至らなかった。 II. 抗加齢の調節:抗加齢に関与すると言われるSIRT1(ヒストン脱アセチル化酵素)を活性化するレスベラトロール(Resv)やピセアタノール(Pice)のオートファジーに対する効果を検討したところ、上記抗酸化成分と同様、低濃度での促進、高濃度での抑制の二相性が示された。ただし、ROSの産生はこの濃度範囲で濃度依存的に抑制され、オートファジー調節活性との整合性は認められなかった。また、Resvの酸化型であるDihydroresveratorol もResv と同様のオートファジー調節活性を示したことから、Resvの作用は抗酸化作用ではない経路であることが証明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度も修士課程の大学院生中心の研究であったが、十分な時間が取れず、再現性の良い質の高い結果が得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
とにかく若い学生を鼓舞して、接触・議論を多くして興味を持たせ、質の高い実験を得ることに喜びを見つけるように指導していく(修士課程2年生になると、自覚が出て来て責任感も出てくる)。
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次年度使用額が生じた理由 |
高度な研究消耗品を使うDNAマイクロアレイを始めとする実験にまで進まなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度では、こうした高度な技術の導入を進める予定である。
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