今後の研究の推進方策 |
BDK-mKOマウスにおいて筋線維タンパク質含量の減少する条件(低タンパク質食の長期投与)が判明したので、BCAA不足はどの細胞内シグナル系に作用するかを検討する。すなわち、タンパク質合成シグナル伝達系であるmTOR系成分(mTOR, S6 kinase 1, eIF4E-binding protein 1)、インスリン-シグナル伝達系成分(insulin receptor, insulin receptor substrate-1, PI3-kinase, protein kinase B)、インスリン感受性とタンパク質代謝を調節するsirtuin-1、およびタンパク質分解系酵素とその調節因子(atrogene, MuRF1, FOXO1&3)のmRNAとタンパク質量をそれぞれリアルタイムPCR法および高感度ウエスタンブロット法により定量する。 一方、BDK-mKOマウスに低タンパク質食を与えて長期に飼育し、その間3%BCAA水を飲料水として摂取させ、筋線維タンパク質含量が正常値に回復するかを検討する。これらの研究により、筋タンパク質維持におけるBCAAの重要性を証明する。 BDK-adKOマウスでは、その基本的特徴について解析し、脂肪組織のBCAA代謝の変動が血中BCAA濃度に影響するか否かを明らかにする。
|