本研究では、哺乳動物の必須アミノ酸である分岐鎖アミノ酸(BCAA)の分解を調節する酵素BCKDH複合体を不活性化する特異的キナーゼ(BDK)を、全身組織または組織特異的に欠損させることにより、BCKDH複合体がBCAA代謝の主要調節酵素であることを明らかにすると共に、BCAAの生体調節機構の解明を目的とした。これらのBDK欠損マウスでは、組織及び血中のBCAA濃度は有意に低下したので、BCAA代謝調節酵素としてBCKDH複合体の重要性が示された。さらに、これらのBDK欠損マウスを用いた研究により、筋タンパク質代謝、持久運動能力、エネルギー代謝におけるBCAAの重要性が示唆された。
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