多成分からなる食品を摂取すると消化管酵素により分解され膨大な分子種が生成する。これまで我々はペプチド構造-活性相関情報を基盤に膨大な分子種を含むペプチド混合物から生理活性ペプチドを効率的に探索し、一群の生理活性ペプチドが存在することを明らかにした。さらに本研究では、中鎖ペプチドの経口投与により強力な神経調節作用を示す場合があることを見出した。これらの中鎖ペプチドは、吸収を前提とした作用機構とは異なり、まず、消化管に作用し、求心性迷走神経を介し、あるいは体液性に、中枢へとペプチドシグナルが伝達されると考えられる。食品タンパク質に由来する中鎖ペプチドによる神経調節作用の新しい腸―脳連関を解明した。
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