研究課題
本申請課題では、全国の複数の地域を対象に先進的な高性能林業機械を使った伐採法や従来の伐採法など様々な森林伐採方式が、森林生態系における土壌窒素動態や微生物群集構造にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的として行う。具体的には、以下の課題について取り組んでいる。1.高性能林業機械を用いた様々な作業システムが、森林土壌に与える短期的・長期的な影響を土壌物理性・化学性・微生物群集組成などの変化に着目し明らかにする。2.高性能林業機械を用いた伐採による土壌物理性の変化を模した室内および野外培養実験により、土壌物理性・化学性・微生物群集の相互関係を明らかにする。3.地域ごとの高性能林業機械を用いた伐採影響の受け易さを評価するモデルを開発する。平成26年度は、課題1に関連して、伐採後1年~2年の短期的な影響について、京都大学フィールド科学教育研究センター北海道研究林周辺の人工林および鹿児島大学高隅演習林の人工林において、伐採後の林分の土壌の物理性を測定するとともに、土壌微生物群集の構造や化学性を明らかにするために、土壌を採取した。化学性については、一部分析を完了したが、その他の項目については解析中である。課題2に関連して、培養実験の方法についての検討を行った。課題3については、北海道研究林近隣の先進林業地の見学を行った他、全国の地域ごとの作業システムについての情報収取を行った。
2: おおむね順調に進展している
作業システムの類型化については、全国の林業機械を導入した事業体の情報収取を行った。平成27年度も引き続き、情報収集を進める予定である。伐採前後の土壌調査については、概ね順調に進んだ。DNA解析と化学分析で未分析のサンプルがあるため、早急に進める必要がある。京都大学和歌山研究林での調査は、災害復旧が完了したため、平成27年度に調査を行う予定である。室内培養および野外培養については、方法論の検討を進めた。平成27年度は、室内での圧密実験を行う予定である。また野外培養についても、実験を開始する。
未分析のサンプルを早急に進めるほか、新たな調査地の設定および野外調査を実施する。得られたサンプルについては、随時分析を進める。培養実験については、早急に実施計画を完成させ、平成27年度中に実施する予定である。
一部、野外調査や化学分析、微生物解析が予定通り進まなかったため、次年度使用額が生じた。
次年度は、引き続き実験などを進め、翌年度と合わせて物品費、人件費として利用する計画である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件)
Front. Environ. Sci.
巻: 2 ページ: 1-8
10.3389/fenvs.2014.00063
Plant Species Biology
巻: 30 ページ: 104-115
10.1111/1442-1984.12086
Soil Biology Biochemistry
巻: 81 ページ: 282-286
10.1016/j.soilbio.2014.11.026
Ecological Research
巻: 30 ページ: 1-2
10.1007/s11284-014-1212-8
Soil Biology and Biochemistry
巻: 74 ページ: 82-94
10.1016/j.soilbio.2014.02.022
森林立地
巻: 56 ページ: 89-95