ナノオーダーで形状と性質を同時に観察できる走査型プローブ顕微鏡を用いて、樹木細胞壁を調べた。位相差の違いをもとに、細胞壁を構成する成分であるセルロースとその他の成分であるリグニン・セミセルロースを区別する手法を確立した。細胞壁中で、セルロースは集合体として存在し、横断面におけるそのサイズは中央値15nmから20nmであった。 繰り返し幅が約60nmの層状構造が細胞壁横断面に存在することを発見した。このナノ周期構造はセルロース集合体の複数層からなると思われる。細胞壁は日周性で形成されるため、このナノ周期構造との関係を追求していく必要性が示された。
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