近年、再生医療の実現を志向した生体外細胞培養技術に期待が集まっている。本研究では、樹木糖鎖や生理機能糖を集積したバイオインターフェースと、表面改質型多糖ナノファイバーによる細胞培養を試みた。その結果、(1)GlcNAc6集積固定化膜によるマウス筋芽細胞C2C12の配列と細胞融合・成熟、(2)結晶性ナノセルロースの表面カルボキシ基量に依存したマウス線維芽細胞NIH-3T3の接着誘導、(3)キチンナノファイバーによるヒト胎児腎細胞TLR2発現HEK293の免疫応答の活性化等の成果を得た。これにより、細胞組織をマテリアル構造が機能制御する「グライコナノアーキテクトニクス」の研究基盤の構築に成功した。
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