研究課題
ブラジル産アルテミア(BA)をヒラメ・カレイ類の初期仔魚に給餌すると、変態後、全個体に有眼側白化が発生することが知られている。この時期にはまだ成体型色素胞は幹細胞の状態で分布することから、BAに含まれる何らかの成分が作用して、色素幹細胞を死滅させていることが推定される。色素幹細胞の維持に機能する遺伝子を探索することを目的として、白化を起こさないユタ産アルテミア(UA)、BAをそれぞれ初期仔魚に投与し、次世代シーケンサーによるRNA-Seq解析を行い、BA給餌によりに発現量が低下する遺伝子をスクリーニングした。そのうち、betain-homocysteine S-methyltransferase 1 (bhmt1)は、ヒトでは機能抑制型変異により皮膚・毛髪の白化が起こることが知られており、ヒラメでも色素胞の機能維持に働いていることが予想された。変態後に起こる無眼側の着色型黒化の発生機序を解明するために、黒化を起こす色素胞の起源について検討した。黒化発生初期の皮膚における色素前駆細胞マーカーgch2の発現を観察したところ、体表の粘液細胞の基部に反応が検出された。色素幹細胞あるいは幹細胞に分化しうる細胞が、体表の粘液細胞の基部に存在し、水槽内飼育の何らかの環境刺激によりそれらが色素胞に分化し、着色型黒化が起こることが予想された。概日リズムについて、末梢組織のリズム発信は、中枢時計の制御によりオシレートされていることが明らかになり、コルチゾルが中枢時計と末梢両者を連絡する液性因子であることを明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Experimental Zoology, Part B, Molecular and Developmental Evolution
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