ヒトの筋肉は加齢により減弱するが、魚類では、筋線維が生涯増え続ける。 こうした魚の「終生成長」は、魚の成長と哺乳類の加齢性筋肉減弱を理解する上で重要だが、その機構は不明である。 本研究では新生筋線維維で発現する遺伝子に着目し、その発現には、筋修復に関わるNFATが寄与することを示した。 また、加齢に伴い、魚類筋肉でMSTN/GDF11およびTORシグナルが低下することを示した。 逆にTORの活性化は筋肉における老化を促進した。 こうした結果は、TORシグナルによる老化抑制とNFATおよびMSTN / GDF11シグナルによる筋幹細胞の維持が、魚類筋肉の終生成長の分子基盤であることを示している。
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