研究課題/領域番号 |
26292118
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
衣笠 智子 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70324902)
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研究分担者 |
山口 三十四 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 名誉教授 (90030684)
加賀爪 優 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20101248)
福井 清一 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90134197)
近藤 功庸 旭川大学, 経済学部, 教授 (20305874)
福本 幸男 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (60411386)
中川 雅嗣 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 研究員 (00586638)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 少子高齢化 / 国際情報交換(アメリカ、中国、韓国、フランス) / 農業 / 地域 / 技術効率性 / 人口 / 技術進歩 / 世代重複モデル |
研究実績の概要 |
少子高齢化時代の人口変化の農業や経済への影響について、計画書に基づき、先行研究のサーベイ・分析手法の習得、現地調査を行った。研究成果として、まず、日本経済発展初期の時代(1880年)から、石油危機、食糧危機があり、高度経済成長が終焉した1970年初期までを一般均衡的成長会計分析モデル使用し、および1970年代初期から高齢化の進展した現在までを世代重複モデル使用し、人口、農業、経済発展の観点から理論的、計量的に分析し、Yamaguchi and Kinugasa (2014)の書籍を刊行した。その中で、成人寿命の増加が貯蓄率に重要な影響を及ぼすことや、人口変化が資本蓄積を通じて、農業や産業構造に影響を及ぼすこと、農業・非農業技術進歩のプッシュ・プル効果、人口の技術進歩を通じた経済への貢献等を見出した。つづいて、時間による変化を付け加えた包絡分析法(DEA)による時系列分析と効率的フロンティアのシフトを考慮した Window Malmquist Index分析により、全要素生産性を計測したところ、アジアの全体として1970年代前半は上昇傾向にあったものの1970年代後半から低下傾向に転じ、1990年代になると停滞状態にあることが明らかになった。さらに、産業連関表を用いて、台湾の貿易自由化の産業構造への影響を分析し、農林畜産業は、2001~2011 年に成長産業としての潜在性を発揮していたことが見出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究のサーベイや現地調査を順調に行うことができた。また、書籍や論文など、研究成果を生み出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成26年度に行われた、先行研究のサーベイに基づき、具体的な理論および計量分析を行う。平成27年度末に、代表者・分担者で第1回中間報告会を行い、これまでの研究成果について、意見交換するとともに、今後の研究の方向性を確認する。特に、一般均衡的成長会計分析モデルと世代重複モデルを融合したモデルをより発展させ、動学的一般均衡モデル(時間の変化と農業・非農業の二部門を考慮したモデル)を用いた分析を行う。また、平成26年に収集したデータに基づき、日本・中国・韓国の農業の生産性(総合生産性および技術効率性を用いる)の決定要因について、計量分析を行う。さらに、昨年度の現地調査の成果を、論文として執筆する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入の際、高めの金額を予想して大学に購入依頼をしたため、実際の取引との差額から、少額の繰越金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
少額であるが、物品購入に使用する。
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