研究課題/領域番号 |
26292123
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
玉 真之介 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (20183072)
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研究分担者 |
伊藤 淳史 京都大学, 農学研究科, 助教 (00402826)
戸石 七生 東京大学, 農学生命科学研究科, 講師 (20622765)
永田 明 国際連合大学サステイナビリティ高等研究所, サステナビリティと平和研究所, 研究員 (30638284)
松本 武祝 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40202329)
庄司 俊作 同志社大学, 人文科学研究所, 教授 (70130309)
野本 京子 (沼田京子) 東京外国語大学, 大学院総合国際研究院, 教授 (90208281)
橋本 直史 徳島大学, 生物資源産業学部(仮称)設置準備室, 准教授 (50649473)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 農村振興 / 歴史的系譜 / 日中韓比較 / 世界農業遺産 / 多様性 / 条件不利地域 / グローバル経済 |
研究実績の概要 |
農業振興策の系譜に関する日中韓比較というテーマに対して、今年度はかねてから中国、韓国の研究協力者と連絡をとりあって、開催準備に協力してきた第13回日中韓国際農業史学会を5月22日、23日の2日間にわたって中国の南京市南京農業大学で開催することができ、本研究のメンバーと研究協力者とが参加して、研究成果の発表を行うと共に、本テーマである農業振興策について中国・韓国の情報を収集すると共に、研究交流を行った。 それにより、特に中国における世界農業遺産登録を活用した条件不利地域における農業振興の現状について情報を得ることができた。そこから特に、国内において世界農業遺産候補を認定する制度の有効性について知見を得た。 7月には、わが国における世界農業遺産登録地である大分県の「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」に対して、本研究メンバーによる調査を実施した。この調査では、大分県から全面的な協力を得て、世界農業遺産登録にいたる経緯、登録準備の過程での問題点、登録に向けた大分県の協力体制、登録後の取組や課題などについて情報を得ることができた。 この大分県の調査から、世界農業遺産登録の取組が地域住民や県庁における意識を変化させ、県内はもちろん県外や海外からの関心が高まって、地域農業振興に一定の効果をもたらしていることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は、予定通り日中韓農業史学会の開催と参加により中国の情報収集を行うことができ、また7月には大分県の国東半島・宇佐における世界農業遺産を調査することができたが、その後の日程調整が上手く行かず、年度内に実施を計画していた静岡県の茶草場農法に関する調査を実施できなかった。このため、静岡県の調査は平成28年度に実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に実施を予定していた静岡県の世界農業遺産「静岡の茶草場農法」に対する調査が実施できなかったことを踏まえて、平成28年度は本研究テーマとの関連で9月に予定している第14回日中韓国際農業史学会の京都での開催成功に向けて取り組むと共に、年末の目途に静岡県の茶草場農法に関する調査を実施することにする。 昨年に続く日中韓国際農業史学会の開催により、中国、韓国における農業振興策の歴史的系譜に関する情報を収集すると共に、本テーマに関する情報共有を行う。 それに続いて、生物多様性をアピールして、生産農家を認証する実践者認証制度について調査すると共に、国際学会の成果も踏まえて、日本でも開始される国内農業遺産制度の制度設計に対する検討を本研究のテーマとの関わりで取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に計画していた静岡県の茶草場農法への調査が、メンバーの日程調整がつかなかったため、翌平成28年度に実施を先送りしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に実施できなかった静岡県の茶草場農法についての調査を平成28年度に実施する際に使用する。
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