研究課題
本研究では、昨年度に引き続き、(1)青果物の貯蔵・輸送庫内の空調制御・力学シミュレーション、(2)X線CT等による青果物内部構造観察とマルチフィジックス・シミュレーション、(3) マイクロX線CT等による細胞組織の観察とマルチフィジックス・シミュレーション、および、(4) 分子動力学モデルによる青果物細胞膜のガス透過シミュレーションの4中課題について、施設スケールからナノスケールに亘るアプローチを行った。まず、(1)では、昨年度までに構築した二温度室を有する青果物混載輸送コンテナモデルを改良し、外気温をシミュレーションパラメータとする夏・冬条件解析を行い、設定温度の異なる二室の温度制御が可能か否かについて検討し、夏場の温度制御に必要となる二室間の換気量と換気口形状や、冬場に必要となる高温室側のヒータ性能等について明らかにした。同時に、庫内における相対湿度の分布や青果物から発生するエチレンの濃度分布などについても可視化し、結露や蒸散の起きやすい部分とエチレン暴露による青果物の追熟の可能性について調査した。次に、(2)と(3)では、昨年度実施した異スケール間連成をより深化し、X線CT画像から、青果物内部の空隙率、熱伝導率、水分をソフト的に可視化する技術を確立した。個体スケールとマイクロスケール間におけるデータの連結はX線CTで測定されたHU単位を介して行い、解像度が異なる2種類のX線CT装置間のHU値のキャリブレーションは基準物質を用いて行うなど、マルチスケール解析のためのフレームワークを構築した。最後に、(4)については、文献検索によりガス透過に関するデータを収集した。各スケール間の時空間データの引き渡しは、エキスポートおよびインポート機能を利用することで十分に可能となった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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