研究課題/領域番号 |
26292138
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小櫃 剛人 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (30194632)
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研究分担者 |
黒川 勇三 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (00234592)
杉野 利久 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (90363035)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | フィトール / フィタン酸 / クロロフィル / 反芻家畜 / 脂質代謝 / 糖代謝 / PPAR |
研究実績の概要 |
本年度は、ヒツジの第一胃内へ市販のフィトール試薬を注入することによって、反芻胃内でのフィタン酸生成量ならびに糖・脂質代謝への影響について検討した。 第一胃内でのフィトールからフィタン酸への変換程度を明らかにするため、維持エネルギー量の飼料を摂取したヒツジ(第一胃および十二指腸カニューレ装着)の第一胃内へ4水準(飼料乾物の0、0.4、0.8、1.2%量)のフィトールを各2週間、給飼時に投与し、十二指腸に移行するフィトールおよびフィタン酸量を測定した。また、各投与期間の13日目に経時的な採血を行い血漿中代謝物濃度を測定するとともに、14日目にはグルコース頸静脈内投与による耐糖試験を行い、第一胃内へのフィトール投与量(第一胃内フィタン酸生成量)が、ヒツジの糖・脂質代謝に及ぼす影響について検討した。 フィトールを第一胃内投与しても、乾物消化率および第一胃内VFA濃度および組成への影響は認められなかった。十二指腸でのフィトールおよびフィタン酸移行量を定量することで、投与したフィトールのうち30%がフィタン酸に変換され、30%がそのままフィトールとして十二指腸に移行することが明らかとなった。さらに、糞中へのフィタン酸排泄量から、腸でのフィタン酸吸収率は80%程度であることが明らかとなった。 フィトールの第一胃内投与は血漿グルコース濃度およびインスリン濃度には影響しなかったが、血漿トリグリセリド濃度が投与量依存的に増加した。耐糖試験においては、フィトールの第一胃内投与によってグルコース投与後の血漿グルコース減少速度およびインスリン分泌は影響されなかった。これらのことから、フィトールおよびフィタン酸はヒツジの脂質代謝に影響することが示唆されたが、これはフィタン酸のPPARリガンドとして期待される効果とは異なった。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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