研究課題/領域番号 |
26292140
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
松川 和嗣 高知大学, その他の研究科, 准教授 (00532160)
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研究分担者 |
市川 明彦 名城大学, 理工学部, 准教授 (20377823)
赤木 悟史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (70414696)
及川 俊徳 宮城県畜産試験場, その他部局等, 研究員 (70588962)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ウシ / フリーズドライ保存 / 体細胞 / 精子 |
研究実績の概要 |
【目的】我々は、絶滅が危惧される褐毛和種高知系の遺伝資源保存を目的として、凍結乾燥と核移植技術を組み合わせたクローン作出を試みている。これまでの研究により、凍結乾燥後-30℃で保存したウシ体細胞は長期保存してもDNA損傷が少なく、核移植後の胚盤胞作出に成功している。しかし、ウシ体細胞の凍結乾燥保存を実用化するためには室温で長期間保存することが必要だと考えられる。そこで本研究では、凍結乾燥後の保存温度および期間が細胞のDNA損傷に与える影響を調査した。さらに、凍結乾燥緩衝液への不凍たんぱく質(Antifreeze protein、以下AFP)の添加が細胞の保存性に与える効果を検討した。【材料と方法】細胞は褐毛和種高知系の耳片から樹立した線維芽細胞を供試し、DNA損傷細胞の割合はアルカリコメットアッセイ法により評価した。実験1: 凍結乾燥後に細胞は0、10、20、および30℃で5日間保存をした。さらに、凍結乾燥直後、20℃で3、4、5、6および7日間保存した。実験2: 凍結乾燥緩衝液にAFPⅠ、AFPⅢをそれぞれ0、0.5、 1、10および50%添加し、凍結乾燥後5日間20℃で保存した。【結果】実験1: 凍結乾燥後、保存温度の上昇にしたがってDNA損傷細胞の割合も増加し、10℃と20℃の間に有意な差が認められた。(p<0.05)。20℃で保存した場合、3日目まではDNA損傷の増加は認められないが4日目以降に増加した。実験2: 無添加区と比較して、0.5および1%AFPⅠ添加区、および0.5%AFPⅢ添加区でDNA損傷が有意に低下した (p<0.05)。以上本研究より、凍結乾燥後のウシ体細胞は保存温度が上昇し保存期間が延長することでDNA損傷が増加することが明らかとなった。さらに、AFPⅠおよびAFPⅢの凍結乾燥緩衝液への添加によって室温保存の可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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備考 |
農林水産省「平成28年度戦略的技術開発体制形成事業 (うち研究ネットワーク形成事業)」の採択を受けて開設
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