研究課題/領域番号 |
26292142
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小倉 振一郎 東北大学, 農学研究科, 教授 (60315356)
|
研究分担者 |
八代田 真人 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (30324289)
川村 健介 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 任期付研究員 (90523746)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 放牧 / 家畜生産 / 植物多様性 / 摂食行動 / 養分 / ミネラル / 双子葉類 / ヤギ |
研究実績の概要 |
本課題は,生物多様性と家畜健康性・福祉性をともに高める放牧飼養システムの構築が目的である。平成29年度は,解析が遅れていた岐阜サイトの解析を実施した。 岐阜県美濃加茂市の耕作放棄地(0.8 ha,2013年より毎年5-11月にヤギを放牧)を0.5 haと0.3 haの2区に分け,ヤギ7頭(HS区)および9頭(LS区)を5月16日から10月26日まで放牧した。調査は5月(春),8月(夏)および10月(秋)に行った。各季節に,牧区内の植生(出現植物種とその被度),およびヤギの摂食植物種(各区4頭の個体追跡)とバイト数を記録した。バイト数割合が高かった植物種(積算割合で上位から80%まで)を代表種として,ヤギの摂食を真似た手摘みで採取し,バイトサイズの推定と成分分析を行った。これらのデータから,ヤギの摂取物の養分含量を推定した。その際,ヤギが草地で単子葉類のみを摂食したと仮定した場合についても推定し,実際の多様な植生で摂食した値と比較した。 HS区では47種,LS区で53種であった。HS区では季節を通じて双子葉類が多く(春と秋には45%以上),LS区では双子葉類,単子葉類およびタケ・ササ類が概ね20%ずつであった。ヤギの摂食植物をみると,HS区では季節を通じて双子葉類が20%以上摂取され,特に春には54%を占め,夏-秋には単子葉類とタケ・ササ類が30-40%を占めた。一方LS区では,季節を通じてタケ・ササ類が42-50%と高かった。植物の成分含量について,特にミネラルに着目すると,Ca,Mg,NaおよびCa/P比で双子葉類>単子葉類およびタケ・ササ類となった(いずれもP<0.05)が,微量元素に有意差は無かった。ヤギの摂取物中の養分含量をみると,実際の放牧下での値は,ヤギが単子葉類のみ摂取したと仮定した場合にくらべ,Ca,Mg,NaおよびZnの含量が高かった(いずれもP<0.05)。
|
現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|