犬リンパ腫に対する化学療法において薬剤耐性獲得は治療に限界をもたらす主たる要因となる。本研究では遺伝子発現量の網羅的解析によって、薬剤耐性獲得時には腫瘍組織において免疫応答や炎症反応が抑制されていることが明らかとなり、それらに関連する6遺伝子が新規薬剤耐性遺伝子として抽出された。さらにこの6遺伝子の発現量に基づく遺伝子発現パネルによって高精度に化学療法耐性を予測するモデルが構築された。本研究成果は犬のリンパ腫治療の成績向上に結びつくばかりでなく、人における腫瘍治療の参考になる知見を提供するものと考えている。
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