研究課題
がん撲滅に向けて、抗がん剤や放射線に低感受性を示す、がん幹細胞を標的とした新規治療法の開発が世界的に取り組まれている。本課題研究は、極めて病態進行が早く、効果的な治療法がない犬の難治性がん(炎症性乳癌、メラノーマ、横紋筋肉腫など)を対象とし、獣医医療における難治性がんのがん幹細胞標的治療法の基盤を構築することを目的とし、がん幹細胞の特性解析を行った。犬の炎症性乳癌およびメラノーマのがん幹細胞の特性解析は、主に平成26および27年度に実施し、平成28年度以降は、主に横紋筋肉腫の肉腫幹細胞を対象に行った。犬横紋筋肉腫細胞株2株を対象に、成長因子存在下低接着培養による3次元spehre assayを実施し、自己複製能を有する細胞集団(sphere;肉腫幹細胞)を同定した。sphereおよび2次元培養に接着細胞(対照細胞集団)について未分化関連遺伝子(oct-4、 nanog、sox-2、CD133)のRT-PCR解析、免疫不全マウスの皮下移植による腫瘍形成能、抗がん剤(ビンクリスチン、ミトキサントロン、ドキソルビシン)の感受性等の特性を行い、sphere形成細胞において横紋筋肉腫幹細胞が濃縮されていることが明らかとなった。さらにこれまでのin vitroスクリーニングにより得られた分子標的阻害剤を用いて横紋筋肉腫幹細胞の自己複製能を評価した結果、炎症性乳癌と同様に、横紋筋肉腫においてもがん幹細胞の自己複製能を阻害することを明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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