期間中に、以下の成果が得られた。下垂体前葉の幹・前駆細胞ニッチについて、①特徴的な複数の因子の局在を明らかにした。②二種のニッチのうち実質層を構成する細胞集団(塊)を酵素分散により単離することに成功し、③その細胞塊の特性を解析し、培養条件によりホルモン産生細胞ならびに非ホルモン産生細胞へと分化する細胞を示した。④膜抗原タンパク質CD9の抗体を使用し、幹・前駆細胞の分取を行い、その一部が血管内皮細胞様の分化をすることを明らかにした。⑤第4の胚葉とされる神経堤細胞由来のP0タンパク質系譜とSOX10系譜の細胞が、それぞれ前葉と後葉から、胎仔期初期に外胚葉由来の下垂体に侵入することを初めて観察した。
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