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2016 年度 実績報告書

鱗翅目昆虫の性決定制御に関わるmiRNA-mRNAネットワークの包括的理解

研究課題

研究課題/領域番号 26292172
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 雅京  東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (30360572)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード性決定 / doublesex / 性分化 / カイコ / microRNA
研究実績の概要

平成27度までの研究成果により、我々は鱗翅目昆虫特有のmicroRNAであるmiR2733ファミリーに属する3つのmiRNAが、カイコの性決定時期である産下後32時間の卵において最も高い発現を示すことを明らかにした。また、miR2733-i-3pは性分化のマスターレギュレーターであるBmdsxの3'UTRに存在する標的配列に結合し、その翻訳を阻害することがレポーターアッセイによるバリデーション実験によって支持された。以上の点を踏まえ、平成28年度はmiR2733が実際に内在性のBmDSXのタンパク質翻訳量を下げるか否か、という点について確認することにした。このためにリコンビナントBmDSXタンパク質を精製し、これを抗原として用いた抗BmDSX抗体を作製した。この抗体を用いてWestern blottingの結果、胚子期におけるBmDSXタンパク質の発現量は極めて低いことがわかった。このため、胚子期におけるmiR2733の発現が内在性のBmDSXの発現量を下げるか否かという点について明らかにすることはできなかった。
一方、平成27度までの研究成果により、胚子期におけるmiR2733の発現を抑制すると、BmdsxのmRNA量が減少することを我々は突き止めている。そこで平成28年度は、胚子期におけるmiR2733のノックダウンが性分化に及ぼす影響について調べることにした。カイコの受精卵にanti-miR2733 LNAを注射したところ、孵化個体が得られず胚致死することが判明した。そこで胚子期における性分化に及ぼす影響に焦点を絞った解析を行うことにした。胚子期における性的二型については知見がなかったため、胚子の切片標本をステージ毎に作製し、雌雄で比較した結果、催青II期(孵化1日前)のステージにおいて生殖巣の大きさや生殖細胞の数に有意な雌雄差を認めることができた。anti-miR2733 LNAを注射した胚子はこのステージまで発生する前に致死に至ったため、miR2733が性分化に及ぼす影響について明らかにすることはできなかった。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (12件) 図書 (1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Morphological and histological structures of testes and ovaries in early developmental stages of the silkworm, Bombyx mori2016

    • 著者名/発表者名
      Sakai H, Kirino Y, Katsuma S, Aoki F, Suzuki MG.
    • 雑誌名

      Journal of Insect Biotechnology and Sericology

      巻: 85 ページ: 15-20

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Transgenic expression of the piRNA-resistant Masclinizer gene induces female-specific lethality and partial female-to-male sex reversal in the silkworm, Bombyx mori2016

    • 著者名/発表者名
      Sakai H, Sumitani M, Chikami Y, Yahata, K. Uchino K, Kiuchi T, Katsuma S, Aoki F, Sezutsu H, Suzuki MG.
    • 雑誌名

      PLOS Genetics

      巻: 12 ページ: e1006203

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1006203

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] カブラハバチのtra-2及びdsxオルソログの同定とその発現解析2016

    • 著者名/発表者名
      峰 翔太郎, 畠山正統, 炭谷めぐみ, 青木不学, 鈴木雅京
    • 雑誌名

      昆虫DNA研究会ニュースレター

      巻: 25 ページ: 31-32

  • [学会発表] ショウジョウバエの雌生殖器原基におけるlozengeの発現に必要なDSX結合シスエレメントの同定2016

    • 著者名/発表者名
      我満俊祐, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
  • [学会発表] イエバエの雌決定遺伝子transformerは自己の雌型スプライシングを制御する2016

    • 著者名/発表者名
      田中有沙, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
  • [学会発表] 中枢神経系で発現するdoublesex標的遺伝子の探索2016

    • 著者名/発表者名
      高瀬 鍛, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
  • [学会発表] カブラハバチのdoublesexオルソログの同定とその機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      峰 翔太郎, 畠山正統, 炭谷めぐみ, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
  • [学会発表] カイコのDMRT遺伝子とその発現解析2016

    • 著者名/発表者名
      笠原良太, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第2回蚕糸・昆虫機能利用関東地区学術講演会
    • 発表場所
      宇都宮大学峰キャンパス(栃木県宇都宮市)
    • 年月日
      2016-11-05 – 2016-11-05
  • [学会発表] イエバエの雌決定遺伝子transformerは自己の雌型スプライシングを制御する2016

    • 著者名/発表者名
      田中有沙, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第2回蚕糸・昆虫機能利用関東地区学術講演会
    • 発表場所
      宇都宮大学峰キャンパス(栃木県宇都宮市)
    • 年月日
      2016-11-05 – 2016-11-05
  • [学会発表] カブラハバチの性決定に関わる遺伝子の同定とその機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      峰 翔太郎, 畠山正統, 炭谷めぐみ, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第2回蚕糸・昆虫機能利用関東地区学術講演会
    • 発表場所
      宇都宮大学峰キャンパス(栃木県宇都宮市)
    • 年月日
      2016-11-05 – 2016-11-05
  • [学会発表] Femノックダウンが引き起こす卵巣の形態異常2016

    • 著者名/発表者名
      酒井弘貴, 青木不学, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第2回蚕糸・昆虫機能利用関東地区学術講演会
    • 発表場所
      宇都宮大学峰キャンパス(栃木県宇都宮市)
    • 年月日
      2016-11-05 – 2016-11-05
  • [学会発表] DSXはどのようにして生殖器の性分化を制御するか?2016

    • 著者名/発表者名
      鈴木雅京, 我満俊祐, 高瀬 鍛, 青木不学
    • 学会等名
      第10回昆虫ワークショップ
    • 発表場所
      富士箱根ランド(静岡県田方郡)
    • 年月日
      2016-08-30 – 2016-09-01
  • [学会発表] カブラハバチのdsxオルソログの同定とその機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      峰 翔太郎, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第10回昆虫ワークショップ
    • 発表場所
      富士箱根ランド(静岡県田方郡)
    • 年月日
      2016-08-30 – 2016-09-01
  • [学会発表] 中枢神経系で発現するdoublesex標的遺伝子の探索2016

    • 著者名/発表者名
      高瀬 鍛, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第10回昆虫ワークショップ
    • 発表場所
      富士箱根ランド(静岡県田方郡)
    • 年月日
      2016-08-30 – 2016-09-01
  • [学会発表] 雄化を引き起こすカイコ遺伝子組換え系統の解析2016

    • 著者名/発表者名
      酒井弘貴, 鈴木雅京
    • 学会等名
      第10回昆虫ワークショップ
    • 発表場所
      富士箱根ランド(静岡県田方郡)
    • 年月日
      2016-08-30 – 2016-09-01
  • [図書] 生物の科学 遺伝 動植物の性別決定メカニズムの多様性2016

    • 著者名/発表者名
      市原健介, 河野重行, 三浦郁夫, 尾形光昭, 赤木剛士, 風間裕介, 石井公太郎, 阿部知子, 鈴木雅京, 明正大純, 酒泉満, 黒岩麻里
    • 総ページ数
      432(398-403)
    • 出版者
      株式会社NTS
  • [備考] 資源生物制御学分野ホームページ

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/seigyo/

  • [備考] 東京大学大学院新領域創成科学研究科ニュース

    • URL

      http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry506/

  • [備考] UTokyo Research Research News

    • URL

      http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/utokyo-research/research-news/sperm-production-induced-in-female-silkworms.html

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公開日: 2018-01-16  

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