研究課題
・H19-ICR断片(2.9-kb)の5'欠失変異体を作製し、酵母人工染色体(YAC)上で、ヒト・β-グロビン遺伝子座へ導入した。同YACをマウス受精卵へ顕微注入し、多系統のYAC Tgマウスを作製した。これら5'欠失変異体Tgマウスについて、生殖細胞と体細胞におけるDNAメチル化解析を行い、PODS(受精後刷り込みメチル化に必要な配列)の大まかな位置を同定した。・刷り込みメチル化におけるPODS配列機能の十分性を検証するために、本来刷り込みを受けないλ DNA断片へ移植し、再構築系Tgマウスを作製した。我々は以前、λ DNA断片に対して、CTCF結合配列を4カ所挿入し、さらに多能性転写因子、Octの結合配列を付加したものを作製し、LCb断片とした。同配列に対してPODSを付加し(LCb+PODS断片とする)、これを用いてYAC Tgマウスを作製した。同Tgマウスのメチル化解析を一部、開始した。
1: 当初の計画以上に進展している
年度始めの当初計画内容を順調に遂行し、次年度に予定していた内容についても着手することができた。また成果の一部を、国際的に著名な学術雑誌に発表することが出来た。
研究計画の変更はなく、その遂行上の問題点は見当たらない。今後も、当初の計画通りに研究を遂行する。我々はこれまで、新規に見いだしたDNA配列機能の十分性について検証をおこなってきたが、今後は、その十分性の見地から検証を行う予定である。このため、人工的に再構築したDNA配列を、内在遺伝子座の相当配列と置換する実験を行う必要があるが、その対象範囲が巨大なため、複数の戦略を採用しつつ、実験を行う必要があるかもしれないと考えている。
当初、筑波大学生命科学動物資源センターへの依頼を予定していた、マウス胚操作(トランスジェニックマウスや凍結胚の作成)を独自に行えたこと、ES細胞経由での作成を予定していたノックアウトマウスの作成の一部をCRISPR/Cas9ゲノム編集にて行えたことによる必要経費の減少と、センターの都合で、一部マウスの作成実験を実施できていないことによる。
先延ばしとなった実験を確実に実施する。また、今後作成予定のマウス系統中には、組み換え領域が巨大なため、CRISPR/Cas9ゲノム編集では作成できないものがある。このため、ES細胞集合胚キメラ法により作成をおこなう。同実験は、技術的に困難を伴うと考えられ、前年度分の経費の減少分は相殺されてしまうと考えている。
(1)は、研究者個人、(2)は、所属研究期間(筑波大学)による。(3)は、プレスリリース。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (3件)
Development
巻: 142 ページ: 3833-3844
doi: 10.1242/dev.126003
http://kt-b1-mac1.tara.tsukuba.ac.jp/~tanimotokeiji/Keijis/Publications.html
http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201511171200.html
http://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/151116tanimoto1.pdf