研究課題
好熱性シアノバクテリアのルビスコが常温性シアノバクテリアのルビスコよりも高いCO2識別能を示す原因を明らかにするために、好熱性シアノバクテリアと常温性シアノバクテリア ルビスコのラージサブユニットとスモールサブユニットを入れ替えたキメラルビスコおよび両野生型ルビスコを大腸菌で発現させ、精製したものの酵素特性を解析した。その結果、異種サブユニット同士で会合し、機能的なルビスコを形成することが明らかになった。また、好熱性シアノバクテリア ルビスコのスモールサブユニットの会合によりCO2識別能力が高くなり、常温性シアノバクテリア ルビスコの会合によりCO2識別能力が低下したことから、CO2識別能にスモールサブユニットが大きく関与していることが示唆された。ルビスコ活性化機構を明らかにするために、ルビスコアクチベース過剰発現タバコの解析を行った。その結果、コントロール株と比較してルビスコアクチベース過剰発現株の光合成速度は、高い光強度において高くなる傾向が見られた。ルビスコの機能分子進化に着目し、メタン生成アーキアにおいてルビスコが関与する新規CO2固定代謝を明らかにするために、この代謝経路で機能する酵素の生化学的解析と13Cラベリングを利用したメタボローム解析を行った。その結果、メタン生成菌においてルビスコは光合成カルビンサイクルと一部のみが異なる新規CO2固定回路で機能していることを明らかにした。これらの結果から、ルビスコが機能する光合成CO2固定経路の進化的原型を発見した。これらの成果は、記者発表を行い、新聞やWebニュースなどで大々的に報道された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
Nature Communications
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