主要な植物バイオマスとして、ペクチン等の細胞壁多糖が知られる。これらは、細胞内においてゴルジ装置で合成され、トランスゴルジネットワーク(TGN)等の小胞輸送系構造体を経て細胞外に輸送されるが、その詳細とそれらの機能が栄養により制御されるかは明らかでなかった。 そこでゴルジ装置の機能解析を、糖蛋白質の修飾を中心に検討すると共に、TGNの糖欠乏による構造変換機構の解析を進めた。また、TGN以降の小胞輸送系の一つである分泌小胞塊に存在すると推定された蛋白質の局在と膜配向性の解析を進めた。これらの解析により、植物のゴルジ装置の機能とその制御に関する知見の集積を深化させた。
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