本研究課題では,研究代表者がこれまで行ってきた二酸化炭素を炭素資源として有機合成化学において利用する一連の研究で浮き彫りとなった問題点を解決すべく検討を行い,(1)N-スルホニルイミンへのシリルアニオンの付加によるαーシリルスルホンアミドの不斉合成法の開発,(2)生成した光学活性αーシリルスルホンアミドと二酸化炭素との反応による不斉転写をともなう光学活性αーアミノ酸の合成,(3)ニッケル錯体を用いた分極したアルキン,イナミド及びイノールエーテルと二酸化炭素との立体選択的カルボキシル化及びロジウム触媒による不斉水素化を経由したβーアミノ酸及びβーオキシカルボン酸の合成法の開発,等を行った.
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