研究課題/領域番号 |
26293008
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40273437)
|
研究分担者 |
高橋 有己 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00547870)
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30171432)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 核酸 / DNA / DDS / ハイドロゲル / 抗原 |
研究実績の概要 |
本研究では、三次元ナノDNA構造体を基本ユニットとする疾患治療システムの開発を目的に、構造的特徴の異なる種々のDNA基本ユニットを新たにデザインし、これを連結することで得られるDNAデンドリマーおよびDNAハイドロゲルのDDS機能に及ぼす影響を指標として、DNA基本ユニットの構造活性相関を明らかにする。得られた相関をもとに、卵白アルブミンあるいはTLR9阻害DNAを機能性分子として選択し、これらを包含する疾患治療システムを構築することで、三次元ナノDNA構造体を基本ユニットとする疾患治療システム開発の可能性を検証する。平成27年度は、自己組織化能を付与した多足型DNAナノ構造体(polypodna)を用いて、DNAリガーゼを必要としないDNAデンドリマーの作製を行った。Pod数の異なるpolypodnaを用いた検討から、効率よくDNAデンドリマーを作製する条件を見出し、これが免疫刺激性CpG DNAを効率よく免疫細胞に送達可能なシステムであることを見出した。また、TLR9阻害DNA をデリバリーする検討において、2本のオリゴデオキシヌクレオチドのみでDNAハイドロゲルを構築することに成功した。TLR9阻害DNAを内包したDNAハイドロゲルは免疫細胞からの炎症性サイトカイン産生を効率よく抑制した。ローリングサークル増幅法を利用したpolypodnaの大量調製法についても検討し、均一なpolypodnaおよびDNAハイドロゲルを安価に調製することにも成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた内容をほぼ予定通りに遂行した。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度となる平成28年度は、DNAハイドロゲルからの生理活性タンパク質の放出制御を目的として、DNA基本ユニットおよび抗原の構造・物性の最適化を図る。また、TLR9阻害DNAの免疫細胞へのデリバリーによる炎症性疾患治療システムの開発を進める。
|