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2016 年度 実績報告書

ABHファミリーによるRNAエピジェネティクス制御と癌における制御破綻機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26293015
研究機関大阪大学

研究代表者

辻川 和丈  大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10207376)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードRNAエピジェネティクス / ABHファミリー / ALKBH / 癌
研究実績の概要

DNA塩基とともにRNA塩基も種々のメチル化修飾がなされていることは知られていたが、その生物学的意義や制御機構さらには癌との関連性は不明確なままであった。我々は癌で高発現し、RNA塩基の脱メチル化酵素活性を有する分子としてPCA-1を同定した。またPCA-1は他の8種類の分子とともにALKBHファミリー(ALKBH1-8)を構成するとをと示した。そこで本研究はALKBH3を中心にRNAエピジェネティクス制御と癌との関連性を解析することを目的とした。さらにALKBHファミリー分子によるRNA塩基の脱メチル化制御に関しても検討を進めることとした。
研究の結果、ALKBH3(PCA-1)は補基質や補因子である2-oxoglutareteやFe(II) 依存的に1-メチルアデニンや3-メチルシトシンを、またtRNAでさらにN6-メチルアデニンを顕著に脱メチル化することが分かった。次にALKBH3により脱メチル化されたtRNAの機能と検討するためにin vitroタンパク質翻訳効率について解析した。その結果、tRNAはALKBH3により脱メチル化されることにより顕著にタンパク質翻訳効率を促進させることが分かった。またALKBH3ノックダウンPanc-1細胞を用いた解析では、RNA中の1-メチルアデニンの上昇とタンパク質翻訳効率の減弱が認められた。これらin vitro, 細胞レベルの解析から、ALKBH3高発現が癌化に関わる機序としてRNA脱メチル化によりタンパク質の翻訳効率を上昇させ、癌細胞の増殖を維持している機序の存在が示唆された。またALKBHファミリー分子に関してもALKBH1やALKBH8などはALKBH3と異なる特徴的なRNA修飾制御を行っていることが分かった。これらの結果はALKBHファミリー分子によるRNAエピジェネティクス制御の存在を示すものである。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] AlkB homolog 3-mediated tRNA demethylation promotes protein synthesis in cancer cells.2017

    • 著者名/発表者名
      Ueda Y, Ooshio I, Fusamae Y, Kitae K, Kawaguchi M, Jingushi K, Hase H, Harada K, Hirata K, Tsujikawa K.
    • 雑誌名

      Sci Rep. 2017 Feb 13;7:42271.

      巻: 13 ページ: 42271

    • DOI

      10.1038/srep42271

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ALKBH6 によるRNA メチル化制御の検討2017

    • 著者名/発表者名
      長谷 拓明, 大塩 郁幹, 上田 裕子, 北惠 郁緒里, 木本 瑞基, 西本 愛, 犬伏 智子, 辻川 和丈
    • 学会等名
      日本薬学会第137年会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2017-03-24 – 2017-03-27
  • [学会発表] RNA epigenetics解析と膀胱癌におけるRNA修飾酵素AlkB homolog 8の機能2017

    • 著者名/発表者名
      大塩 郁幹,上田 裕子,長谷 拓明,北惠 郁緒里,神宮司 健太郎,島ノ 江知樹, 趙 雨桐,里 章平,藤井 晋太郎,藤田 和利,植村 元秀,野々村 祝夫,辻川 和丈
    • 学会等名
      日本薬学会第137年会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2017-03-24 – 2017-03-27
  • [学会発表] がん細胞におけるAlkB homolog 3 (ALKBH3)によるRNAメチル化修飾制御の意義2016

    • 著者名/発表者名
      上田 裕子,大塩 郁幹,長谷 拓明,北恵 郁緒里,河口 恵,小垣 考弘,神宮司 健太郎,辻川 和丈
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
  • [学会発表] RNA epigenetics による生体制御の基盤的研究2016

    • 著者名/発表者名
      長谷 拓明, 大塩 郁幹, 上田 裕子, 北惠 郁緒里, 西本 愛, 犬伏 智子, 木本 瑞基, 古川 龍彦, 辻川 和丈
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
  • [学会発表] エピトランスクリプトームとがん2016

    • 著者名/発表者名
      辻󠄀川和丈
    • 学会等名
      第4回がんと代謝
    • 発表場所
      かごしま県民交流センター
    • 年月日
      2016-07-08
    • 招待講演
  • [図書] Regulation of RNA methylation and epigeneticis effects by the ALKBH family2016

    • 著者名/発表者名
      辻川 和丈
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      日本生化学会
  • [備考] ALKBHファミリー分子

    • URL

      https://sites.google.com/site/xibaoshengli/alkbhfam

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公開日: 2018-01-16  

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