研究課題/領域番号 |
26293024
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 教授 (20272693)
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研究分担者 |
大西 素子 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00312653)
車 炳允 中部大学, 生物機能開発研究所, 准教授 (00410663)
中川 大 中部大学, 応用生物学部, 講師 (40397039)
林 宣宏 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (80267955)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 骨代謝 / 骨吸収抑制剤 / 骨形成促進剤 / 天然化合物 |
研究実績の概要 |
社会活動と生産性を長期に渡って維持できる「健やかな社会」の創成に研究成果を還元することが申請者の研究の終着点である。この構想を実現するために、本申請課題では、「骨吸収を抑制すると同時に骨形成を促進する天然物」の作用を細胞および個体レベルで解明することを目指す。そして、全体構想の実現に向け、(①骨吸収と骨形成を制御する分子基盤の同定, ②骨吸収抑制・骨形成促進天然物の薬効・薬理の評価, ③骨代謝改善薬の開発準備) の解決を目指す。そのために、骨吸収抑制・骨形成促進天然物によって量や質が変動する細胞内タンパク質を二次元電気泳動の解析結果から同定すると共に、骨代謝評価モデルを用いて当該天然物の薬効・薬理を評価する。 平成27年度は、harmineとhonokiol処理に起因する細胞内タンパク質の量と質の変動を。2次元電気泳動で解析を継続するとともに、honokiolの骨粗鬆症のモデル動物における骨密度に対する効果と、骨や歯周組織形成促進への作用メカニズムを解析を行った。 honokiol(20 mg/kg)の3か月間腹腔投与により卵巣摘出による骨粗鬆症モデルマウスにおいて、大腿骨の海綿骨塩量および海綿骨密度の減少が有意に抑制されることを確認した。分子と細胞レベルにおけるhonokiolにおいては、マウス骨芽細胞株であるMC3T3-E1細胞におけるhonokiolのALP活性促進作用が、RXRアンタゴニストであるUVI3003によって打ち消された。このことから、honokiolの骨芽細胞分化促進作用に核内受容体のRXRが関わっている可能性を見出した。また、歯根形成に深く関わるヘルトビッヒ上皮鞘由来細胞(HERS細胞)において、honokiolはShhおよびその標的遺伝子であるGli1の発現を誘導した。これらの歯周組織形成に関わる遺伝子発現誘導作用はShh阻害剤であるシクロパミンによって抑制されたことから、honokiolの作用にShhシグナルが関わっている可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
二人の研究員の移動があり補充するまで時間が掛かった。平成28年1月にようやく研究員一人を確保した。
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今後の研究の推進方策 |
遅れを取り戻すために、新しく採用された研究員を加えて、歯周組織に詳しい研究者との共同研究や受託可能な実験については、受託解析を積極的に利用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の消耗品の一部が、想定よりも安価で入手できたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度計画の予算と合わせて、消耗品を購入することとする。
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