研究課題/領域番号 |
26293034
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐々木 均 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (00170689)
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研究分担者 |
太田 伸生 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10143611)
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
濱野 真二郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70294915)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 顧みられない熱帯病 / DNAワクチン / ナノデバイス / 住血吸虫症 |
研究実績の概要 |
本研究では、昨年度開発に成功した脾臓標的型遺伝子ベクターをDNAワクチンへ応用した。まず、マウスマラリア原虫P yoelii GPI8p transamidase-related proteinをコードしたpVR1020-TAM (pyTAM)を用いて、マラリアDNAナノワクチン(pyTAM-DGL-γ-PGA複合体)を開発した。マラリアDNAナノワクチンは、マラリアに特異的な免疫誘導を惹起し、マラリア感染による死亡および寄生虫血の増加を著しく抑制できることが示唆された。 また、S. japonicum glutathione S-transferase (SjGST) をコードした住血吸虫症DNA ワクチンを用いて、住血吸虫症DNA ナノワクチン(pVR1020-SjGST-polyethyleneimine (PEI)- γ-PGA複合体)を開発した。住血吸虫症DNAナノワクチンは、住血吸虫症に特異的な免疫誘導を惹起した。住血吸虫症DNAナノワクチンはblank pDNA(薬効のないpDNA)を内包した複合体と比較して、IFN-γ産生CD4陽性T細胞の割合を増加させ、IL-4産生CD4陽性T細胞の割合を減少させた。したがって、住血吸虫症DNAナノワクチンによりTh2の反応が減少し、Th1の免疫反応が優位になることが示唆された。また、住血吸虫症DNAナノワクチンは肝臓のegg burdenを著しく減少させた。 以上のように、我々は本年度の研究によって、脾臓標的型遺伝子ベクターをマラリアワクチンおよび住血吸虫症ワクチンへ応用することで、高い免疫誘導効果を示す画期的なDNAナノワクチンを開発できた。現在、本ベクターを用いたシャーガス病に対するDNAナノワクチンの有用性を評価している。来年度以降は、さらにリーシュマニア症のDNAワクチンへも展開していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた平成27年度の研究実施計画をおおよそ達成しているため、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度も当初予定してた研究実施計画に従い研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
キャンペーン期間に購入するなどして研究費を効率的に使用したため
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の繰越は消耗品に補填する予定である。
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