研究分担者 |
太田 啓介 久留米大学, 医学部, 准教授 (00258401)
林 篤正 久留米大学, 医学部, 講師 (20341357)
金澤 知之進 久留米大学, 医学部, 准教授 (50529518)
東 龍平 久留米大学, 医学部, その他 (70569516)
力丸 由起子 (西由起子) 久留米大学, 医学部, 助教 (90368960)
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研究実績の概要 |
結合組織を構成する間質細胞群(fibroblast, myofibroblast, interstitial cell, stromal cell, reticular cell, stellate cell, mesenchymal cell等)に着目し、新機軸電子顕微鏡FIB/SEM、および、その応用によるFIB/SEM tomography法をもちいて、消化器系、泌尿器系、生殖器系の結合組織・平滑筋組織、骨格筋、骨、腱、歯牙とそれらの周囲組織、下垂体、脂肪組織、さらに、神経組織において三次元微細構造解析を行い、細胞のサイズ、微細形状、隣接細胞・組織との相互関係について、機能との関連に留意して解析した。その結果、いずれの組織においても、それまで紡錘形または星状とされていた間質細胞群、特に線維芽細胞は、両端または四方に細い突起を出すのではなく、多くの場合、扁平なシート状突起であること、さらに、これら細胞が隣同士連結され、組織全体としてネットワークを形成していることが示された。これら極めて皮薄で広範に拡がるシート状構造は、これまでの切片(一断面)における観察ではその拡がりをうかがい知ることは不可能であり、また、免疫染色でも、その薄さ故、光顕レベルでは構造と認識することができず、バックグラウンドの非特異的染色が高いことと判別がつかなかったものと考えられる。また、細胞間連結については、上皮細胞間のものとは異なり、点、線条あるいは平面でのポイントでの接触という構造的特徴と出現頻度が低いことからみて、切片観察でそれらの構造を特定するのは困難であった。このような細胞および組織構築の形態的特徴は、FIB/SEMという三次元微細構造観察を可能とする技術革新を活用した本研究によりはじめて明らかとなったものである。
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