研究課題
MCH神経の投射先を明らかにするために、MCH神経特異的にtTA(テトラサイクリントランスアクティベーター)を発現するMCH-tTAマウスと、tTA依存的にYellow Camelleon (YC nano)を発現するマウス(TetO YC)を交配させて、MCH-tTA; TetO YCマウスを作成した。YCnanoは、非常に強い蛍光を発するタンパク分子で、軸索先端まで輸送されるために、MCH神経の軸索が脳のどの部位に投射しているのかについて明らかにすることができる。組織化学的解析の結果、MCH神経軸索が海馬や中隔核などの記憶との関連が指摘されている領域に密に投射していることを見いだした。これらの結果は、MCH神経が睡眠覚醒調節だけでなく記憶の制御にも関わっていることを示している。そこで、MCH神経を時期特異的に脱落させることが出来るマウスを用いて記憶のテストを行った。MCH-tTAマウスをTetO diphtheria toxin A fragment(DTA)マウスと交配させ、MCH-tTA; TetO DTAマウスを作成した。ドキシサイクリンの有無によって、DTA発現が制御されるため、MCH神経の脱落時期を制御することが可能になる。認識記憶を評価できる新奇物体認識試験を用いてMCH神経脱落マウスの記憶を評価したところ、記憶が優位に向上していることが明らかになった。そこで、記憶保持の間に断眠を行ったところ、断眠を行うとMCH神経脱落群と非脱落群間に差が見られなかった。これら一連の行動実験から、MCH神経が睡眠中に活動し、記憶を抑制又は消去していることが示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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