研究課題
本研究課題達成のために平成28年度は下記の検討を行った。1)内因性Cnot1蛋白と会合するRNA認識分子の探索:CCR4-NOT複合体によるRNA制御機構を解明するため、CRISPR/Cas9ゲノム編集によるCnot1のFlagタグ付加を行い、内因性のCnot1蛋白のプルダウン、質量分析による結合蛋白の解析を行った結果、RNA認識蛋白群を同定することができた。これらのRNA認識蛋白についてPAR-CLIPの予備検討を行った。2)CCR4-NOTによるオートファジー分子制御機構の解析:心臓特異的なCnot3欠損マウスの心不全死の原因のひとつとしてAtg7によるオートファジー非依存的な細胞死が重要であり、その細胞死のメカニズムとしてネクローシスとアポトーシスの両方がおきていることが分かった。Atg7がこれらの細胞死に寄与する分子の転写制御にかかわることがChIP解析から明らかになった。さらに、CCR4-NOTはAtg7 mRNAの安定性制御、翻訳制御を介してAtg7の発現を調節することが分かった。3)CCR4-NOTデアデニレース阻害剤の候補物質のスクリーニング:in silicoでのデアデニレース因子の活性中心に結合する化合物のスクリーニングを行い、得られた候補物質についてin vitroでのデアデニレース蛋白を用いたアッセイでのスクリーニングを行ったところ候補阻害物質を得ることができた。しかしながら、活性中心への候補阻害物質の特異的結合を確認することができなかった。4)新規CCR4-NOT関連因子の遺伝子欠損マウスの作製:生理機能が不明なデアデニレース遺伝子について、CRISPR/Cas9ゲノム編集により作製した2系統の遺伝子変異ES細胞の個体化を進めた。また、CCR4-NOT関連の蛋白修飾因子について機能欠失型のノックインマウスを作製した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
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巻: 印刷中 ページ: -
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